歯周病の症状
以下の症状にあてはまる方は、歯周病の可能性があります。
お早めにご相談ください。
- 朝起きた時に、口の中がネバネバする
- 歯を磨いた時に血が出る
- 口臭が気になる
- 歯と歯の間に食べ物が詰まりやすい
- 硬いものを噛むと痛む
- 以前に比べて歯が長くなったような気がする
- 歯がグラグラする
- 歯が浮いているような気がする
- 歯茎が赤く腫れたり、膿が出る
歯周病
Periodontal disease
歯周病は、以前は「歯槽膿漏」と言われていました。テレビCMでも流れていますよね。歯と歯茎の間に存在する歯周ポケットと言われる溝に、歯周病菌が住み着きます。そうすると、居心地が良いので繁殖し、増えようとします。歯周病菌は空気に触れない環境が好きなので、奥深くに潜りこもうとするわけです。自分の体はというと歯周病菌が迫ってきているので、体の中に入れさせまいと自分の陣地を後退させるのです。実は、歯周病で歯茎が下がったり骨が下がったりするのは、自分の体が炎症を引き起こし歯周病菌に体の中に入られまいとする防御反応なのです。歯周病菌が骨を溶かしているわけではないんですね!
以下の症状にあてはまる方は、歯周病の可能性があります。
お早めにご相談ください。
歯磨きしていると歯茎から出血することありませんか?この出血は歯周病菌が体のなかに入るのを抵抗している証拠なんですね!少し痛みがあるかもしれませんが、柔らかい歯ブラシや歯間ブラシ、フロスを使って歯周病菌を減らしてあげてください。そうすると、歯周病菌の量が減って出血がすくなることが多いと思います。
歯石はみなさんご存知ですよね!?歯の表面につくザラザラした物質です。
細菌の死骸やプラークと呼ばれる(排水溝のヌメリのようなもの)汚れに、唾液中のカルシウム成分が沈着し、軽石のように表面にこびりつきます。歯磨きでは落とすことが困難で、歯科医院の歯石とりを受けていただく必要があります。
歯石には縁上歯石と縁下歯石と2種類あります。縁上歯石は目に見える部分にあります。柔らかいので1~2回の歯石とりで落とすことができます。難しいのが縁下歯石です。
歯肉炎とは、歯肉溝と言われる歯と歯茎の隙間に磨き残しや汚れが溜まり、細菌が繁殖することで周囲の歯茎が炎症を起こし腫れてしまうことで、ブラッシング時の出血や自然出血が起こる状態を示します。
汚れがこびり付いて固まってきますと歯石になります。歯石になってこびりつくと、慢性的に周囲の歯茎が腫れやすくなります。歯肉炎の段階では歯石取りやTBI(歯ブラシ改善)、フロスなど使用することで改善されます。
歯肉炎が進行して悪化してくると、歯周炎という状態になります。
腫れている歯茎が、深い部分に少し進行した状態です。歯を支えている周辺組織が壊されていく初期段階となります。歯根膜、歯槽骨など歯を支えている組織が歯周病菌の侵入を防ごうとする自己防衛の免疫により破壊されていきます。軽度歯周炎と歯肉炎は、見た目の病態は同じです。歯肉溝が深くなると歯周ポケットと呼び名が変わります。通常1〜2mmの溝が3〜4mmと少し深くなってくることが特徴です。プロービングといわれる歯周病検査をしないと歯肉炎か歯周炎か判別は難しいです。初期段階であれば、破壊された組織も元に戻る場合もあります。
軽度の状態から歯周病が進行していくと、中等度と言われるようになります。歯周ポケットの深さで言うと4〜6mm程度になります。歯を支えている骨の半分程度が破壊されている状態になります。歯肉の腫れがますます広がり、根の先端の方へと進んでいきます。ご自身でのブラッシングでは汚れは取り除くことができなくなり、しばしば腫れたり出血したりを繰り返すようになります。それらの回数が増えれば増えるほど、支えている骨の破壊は進んでいきます。縁下歯石と言われる歯茎の中に隠れた歯石が病気を進めてしまいます。
治療としてはこの縁下歯石を取りのぞく治療になります。
中等度の状態がさらに悪化や噛む力や噛み合わせにより進行が加速してしまい、場合によれば抜歯しなくてはいけない状態になるのが重度歯周炎です。歯を支えている骨の破壊も進行していき、歯が揺れてくる状態になります。歯周ポケットも7〜10mm程度になります場合もあり、通常の歯石取りでは歯石を取り除くことは難しくなります。
歯周外科と言われる歯石除去率を上げるために、歯茎をめくっての歯石取りや再生療法等が必要になる場合もあります。
7〜10mmの深い歯周ポケットは、中等度歯周炎の治療時に行われる縁下歯石取りでも歯石まで器具が届かないや根の形が複雑で40%程度しか取れていないとデータもあります。治療しても揺れが残る場合は、抜歯の検討もしたり、揺れている歯を隣の歯と固定する場合もあります。
歯周病は歯茎の中で病気が進みます。直接目で見て覗くだけでは状況把握はできません。よって特別な検査が必要になります。
A:歯周ポケット検査
B:レントゲン検査
C:プラークチャート
そもそも歯周病の原因は歯磨きの磨き残しです。歯周病の治療を進めても歯磨きがそのままだと、また歯石が溜まってしまいます。ハギガキの磨き残しチェックも歯周病の検査の大切な項目になります。
他にも細い検査はありますが、大まかにはこの3つになります。
個別に唾液から歯周病菌を採取したりなどの精密検査などもあります。
これらの検査をもとに、歯周病の状態を診断します。全体的に歯周病中等度という方や奥歯だけ歯周病重度など患者様ごとの部位によっても歯周病の進行具合は違います。前歯周辺は軽い歯石とりだけで、奥歯は歯周外科が必要な場合もありますし、全体的に縁下歯石とりのみで終わる場合もあります。
そのあたりも含めて、何回くらいどんな処置をしておけば歯周病の進行を食い止められるかを診断し、診断結果をカウンセリング時にお伝えします。
治療は軽度の方も重度の方も基本的な治療から始まります。基本治療には、ブラッシング指導をしたり着色を落としたりフロスや歯間ブラシの使用など汚れがこれ以上つかないようにすることと、同時に歯茎から見えている縁上歯石を取ります。皆さんが一般的にイメージされる歯石とりは、この縁上歯石とり(スケーリング)を指します。一般的には歯石とりだけというイメージかもしれませんが、真剣に歯周病に取り組んでおられる歯科医院ほど歯ブラシなど清掃指導をしっかりされています。
また歯並びが原因で清掃しづらいことや適合が悪い被せ物をされていると隙間に汚れが溜まりやすくなることもあり、矯正治療や被せ物の治療のやりかえなども初期治療に入ります。これらの汚れが溜まる原因を解決するのも初期治療と呼ばれます。
なんとなく歯石とりが終わったので治療終わりということではありません。歯周病治療は処置後に治療効果があったのかを判断します。歯周病が完治したのか中等度が軽度になったのか重度のままなのか、それによって治療を終えて予防処置して行くのか縁下歯石とりに進むのかを判断します。もちろん状態が改善されていない部位のみに行いますので、奥歯だけだったり前歯の1本の歯だけだったりすることもあります。
ここからが本格的な歯周病治療になります。歯茎の中にある隠れ歯石を除去していきます。隠れ歯石のことを歯茎の縁よりも下の隠れている歯石ということで縁下歯石と呼びます。歯周ポケットが4mm以上ある場合は縁下歯石が付着している場合が多いです。歯茎の中を触って行くため、処置中チクチクと感じたりします。そのため、麻酔をかけながらすることが多いです。右上、右下、左上、左下と4回程度に分けることが多いです。
縁下歯石除去後に歯周ポケットの減少や歯肉出血などの減少を確認します。全体的に歯周病が落ち着いておればここで終わります。その後は歯周病が再発しないように、歯周病予防処置に移ります。いわゆる定期検診です。ここで歯周病の炎症が残っている場合は、歯周外科に移ります。歯周外科の内容については、歯周病の状況次第で変わりますので個別で説明いたします。
歯周ポケットが5〜6mm以上になってくると、SRPで完全に取り除くのは不可能に近いです。そのため、歯茎を少し捲ることで歯石がどこにあるか見える状況で歯石とりすることによって取り除くことができます。今まで何をしても出血や膿が出てくる状況が止まらなかったのが、ピタッと止まったりします。減った骨を回復させる再生療法も適応になる場合もありますので、適応になられる方にはご説明させていただきます。フラップ手術やFOPと言ったりします。その他にも根面被覆術や遊離歯肉移植術など様々な種類の手術があります。
歯周外科をしても炎症が取れない歯があれば、抜歯になるか経過見て行くことになります。歯に揺れが残る場合もあり、永久固定をすることもあります。今後のメンテナンスの間隔やどのように予防していくか患者様にも清掃時の注意点などお話しさせていただいて、今後悪化して行かないようにしていきます。
歯石とり治療が終わっても、日々のメンテナンスが大切です。歯磨きの仕方やフロス、歯間ブラシを併用した方がいい場合もあります。(・・・大きい声では言えませんが、歯科医師でも歯科衛生士でも完璧に歯磨きすることは難しいのです。。)みなさんの歯磨きの慣れたやり方というのがあると思いますが、プラスアルファで苦手なとこをカバーしていただければ、少しでも歯が弱くなるリスクは下がるかと思います。それでも難しいところはあると思いますので、3~4ヶ月に一回程度クリーニング来られることをお勧めします。
クリーニングとは歯石とりはもちろんのこと、歯の着色をとったり歯の表面のベタつきをとったり、歯茎も引き締まります。
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朝起きて口臭を感じたり、人と話してる時に不意に口臭気になったりしたことはないでしょうか?口臭はコンプレックスにもなりますし、人と話すのが億劫になったり無意識に生活に影響が出ているかと思います。口臭抑制の歯磨き粉、うがい薬様々なものがありますが一時的な効果しか見込めないことも多く、きちっと原因を調べる必要があります。
そもそも病的な口臭と生理的口臭と2種類あります。生理的というのは通常の状態でも口臭がするということです。起床時、緊張時、空腹時など口の中が乾きやすい状態では口臭がしやすいです。他にもホルモンバランスで起きる口臭、思春期、妊娠時、更年期に起こります。こういう生理的なものは、病気のせいではなく健康でも起こりますので基本的は治療の対象にはありません。
病的口臭にはお口の原因、鼻喉などの疾患、全身疾患、大きく3つに分類されます。お口に原因があることが多いですが、例えば蓄膿症や扁桃腺炎など耳鼻咽喉科疾患が原因の可能性や、胃腸疾患のこともあります。糖尿病や肝臓疾患でも影響が出ると言われています。口腔内の原因では
という原因が多いと思います。
① 歯周病は口臭の原因の大半を占めます。細菌の種類を変えるのは難しいですが、細菌数を減らすことで口臭を減らすことができます。
これらは主に嫌気性菌が出すことが言われているので、歯周ポケット内部へのブラッシングが重要になります。フロスを歯肉溝内に滑りこませたり、バス法などでやわらかい歯ブラシの毛先をポケットに入れてあげることが重要です。
② 舌苔といって舌の見える範囲に白、黄色など少し色がついていることがあります。細菌カスやカビ菌が舌表面に付いてます。それが原因での口臭もよくあります。ただ、過度に磨きすぎるのは傷ついて口内炎や口腔ガンのリスクとも言われており注意が必要です。正常でも少し白いくらいですので、徹底的に落としたり等やりすぎないようにしてください。ご不安に思われる方は歯科医院でご相談ください。
③精神的、心理的に口臭が周りに迷惑かけているんじゃないかと気になって悩んでしまうことです。ご家族の方に指摘されたり、お友達とお話ししているときに嫌な顔をされたり、様々なお悩みをお伺いしておりました。実際に歯周病の方は治療を行いますが、医院で口臭を確認させていただいても病的でない方もいらっしゃいます。一時的な生理的口臭を指摘されてそこから気になり始める方が多いかと思います。
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