歯の根の病気とは
歯の構造は、歯の頭の部分(歯冠)と歯の根の部分(歯根)の2つに分けられます。歯の根の部分は通常、歯茎に隠れていますので直接見ることはできません。その隠れている部分にまで虫歯が進むと、歯の根が病気になります。
根管治療(歯の根の治療)
Tooth root treatment
歯の構造は、歯の頭の部分(歯冠)と歯の根の部分(歯根)の2つに分けられます。歯の根の部分は通常、歯茎に隠れていますので直接見ることはできません。その隠れている部分にまで虫歯が進むと、歯の根が病気になります。
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歯の根の治療を専門用語で「根管治療」と言います。
根管治療で代表的なものに ①抜髄処置 と ②感染根管処置 があります。
他にも特殊な処置として ③歯根端切除術 ④意図的再植 などがあります。
それでも難しい場合は ⑤分割抜歯(ヘミセクション、トライセクション) ⑥抜歯などの処置になります。
抜髄処置も感染根管処置も治療内容については大きく変わりません。
部分的にまだ神経が生きている状態で行う処置を抜髄処置と言います。これは先端部の神経が生きている場合、根の先端で神経を切断し、神経を抜くという形になります。
一方、感染根管処置は根管内がすべて感染している状態、要するに神経が全部死んでしまっている状態の場合に行います。どちらも根管内の虫歯をとるという同様の作業を行います。
虫歯は本来、タービンと言われる機械で削り取ります。ただし、根管は非常に細くタービンを使用する際に少しでも手がブレると歯に穴が空いてしまいます。そこで、ファイルやリーマーと言われる爪楊枝のような大きさの細い歯のついた針金を使用し、根管内部の壁についた虫歯をこそぎ落とす作業を行います。
一般的に、根の治療では根の掃除を3~4回程度(早い時は1回)行います。
その後、土台を立てる作業、被せを入れる工程が3回程度かかります。1本の歯を治療するのに5~7回程度かかります。
注意事項
※根の治療は他の治療に比べて治療回数がかかります。治療が進んでいる実感がないため、途中で離脱してしまう患者さんもおられます。治療中は仮蓋になるため、中断されますと中で虫歯が進行してしまい、抜歯になってしまうことがよくあります。自己中断は控えてください。もしやむをえない事情で期間が空く時は、歯科医師にご相談ください。
保険治療と自由診療の違いは、使用する器具、使用薬剤、マイクロスコープ、ラバーダム、CTが変わってきます。
目的 | 器具、材料 | 保険診療(保険内) | 自由診療 |
---|---|---|---|
診断精度に関わるもの | マイクロスコープ | なし | 使用 |
歯科用CT | 必要あれば撮影 | 必須で使用 | |
作業効率 (治療時間短縮) |
NiTiロータリーファイル | 必要あれば使用 | 使用 |
再感染防止 (また悪くならないために) |
ラバーダム | なし | 使用 |
バイオセラミックシーラー | なし | 使用 |
感染根管処置でも治癒しないケースがあります。そのような場合は次の治療に移ります。
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根の治療の成功率(自由診療で行なった場合) | ||
---|---|---|
抜髄 (初回の根の治療) |
先端に病気なし | 90%以上 |
先端に病気あり | 約80% | |
感染根管処置 (再治療) |
先端に病気なし | 70〜80% |
先端に病気あり(先端破壊あり) | 約50% |
参考文献:
1, Y-L Ng , V Mann, S Rahbaran, J Lewsey, K Gulabivala. Outcome of primary root canal treatment: systematic review of the literature -- Part 2. Influence of clinical factors. Int Endod J. 2008 Jan;41: 6-31.
2. U Sjogren , B Hagglund, G Sundqvist, K Wing. Factors affecting the long-term results of endodontic treatment. J Endod. 1990 Oct;16:498-504.