インプラントなどの外科処置は痛みが伴うイメージですよね。
口腔外科で携わっていた経験から腫れたり、痛みが出やすい処置というのがあります。いくつかご紹介します。
① 歯茎を大きく切ったり開いたりする処置
下顎に埋まってる親知らずの抜歯などは、歯茎を切開する必要があります。最小限に抑えて処置を行いますが、必要最低限は歯茎を切開する必要があります。それなりに腫れたり、痛みがでるイメージですよね。それに比べて上顎の親知らずはそれほど痛んだり腫れたりしません。上顎の親知らずは歯茎を触らなくていいケースが多いからです。
② 長時間の処置
処置時間が長くなれば、傷周辺の血流が遮断される時間も長くなり、治癒するまでの時間も長くかかります。長いと腫れも痛みも続く可能性が高くなります。
③ 骨をたくさんさわる処置
インプラントでも骨を作るケースや抜歯でも周囲の骨をたくさん削る方が、痛みが強く出たり腫れも大きかったりします。必要なければ、健康な部分は触らない方がいいのです。
逆にいうと、これらをできるだけ避けて処置をすれば、痛みや腫れをおさえ、治るまで短期間で侵襲(治療による身体への負担)が少ない処置が可能ということになります。
低侵襲インプラントとはなにか??
歯茎を切らずにインプラント手術を行う方法です。
歯茎を切らないので腫れや痛みも従来に比べて格段に少なくできます。(フラップレス手術)
どんな風にするの?
歯形とCTのデータを使って、シミュレーションを行います。本来は手術時に歯茎を開いて実際の骨の形を確認しインプラントを行いますが、CTによってあらかじめ骨の形を予想して歯茎を切開することなく、インプラントを入れる処置です。従来に比べ、腫れや痛み、出血も格段に少なくなります。
どんな場合でもできるの?
歯茎の量と骨の量が十分であればすることができます。ただし、骨が少ない時は骨盛り手術(骨造成)を必要とする場合や歯茎の量が少ない時は難しいこともあります。
実際どんな感じなの??
インプラントを入れる位置がずれないように、ものさし代わりのサージカルガイドというものを作成します。それをあてがいながらインプラントの位置を決めていきます。位置は術前に決めていますので、歯茎を開ける場合に比べて手術中に位置を模索することはなく縫合も必要ないため、手術時間も早く終わります。
傷口は最低限にするので、むき出しにはならず痛みも少ないです。術後は歯茎を開けた場合に比べて、痛みや腫れも少ないと思います。