自分と同じ思いをさせたくないと思われるご家族の方へ
「小さい頃に歯が痛い思いをして嫌だった」「自分は虫歯が多かったから、子どもにはできるだけ虫歯になってほしくない」
そんな思いを抱いている方は多いのではないでしょうか。私たちも同じ気持ちです。
院長である私自身も、子育てをしている親の一人です。歯科医師であっても、子どもの歯については常に心配ですし、仕上げ磨きに苦労することもあります。特別な方法があるわけではなく、同じように悩み、同じように歯科治療も受けています。。
「歯科医師である前に、一人の親である」。
この思いを大切にしながら、大切なお子様のお口の健康をお守りしています。
お子様の歯で気になることがあれば、いつでもお気軽にご相談ください
予防と成長を合言葉に診療しています
できれば、子どもに虫歯を作ってほしくない。悪い歯並びになってほしくない。私たちは、そう考えています。
お子様の成長に向き合うことは、歯科医院にとってとても重要です。では、「成長」とは何か。それは、骨格の成長です。歯がきれいに並ぶためには、十分なスペースが必要です。スペースが足りなければ、歯並びは乱れてしまいます。本来、7〜8歳頃から成長を見ながらサポートを始めれば、防げる問題もたくさんあります。しかし、気づかずに後回しにされ、将来大掛かりな治療が必要になることも少なくありません。
虫歯も、歯並びも、防げるものは防ぐ。それが、当院の小児歯科の基本的な考え方です。
小児矯正
当院の小児歯科のこだわり
POINT 1
一人でできるように練習してから治療を進める
慣れていないお子様には、いきなり治療を始めることはありません。
歯医者さんに慣れているお子様であれば、スムーズに一人で治療できることも多いですが、慣れていないお子様は「何をされるのだろう?」「怖いことはないかな?」と不安でいっぱいです。
当院では、まずどんな道具を使うのか、どんなことをするのかを実際に触ったり体験してもらい、「怖いことはされない」と安心してもらう時間を大切にしています。
そうすることで、先生やスタッフとのコミュニケーションが生まれ、自然と緊張もほぐれていきます。
練習がうまくできて、本人もできそうであれば、その日のうちに処置を始めることもあります。お子様のペースに合わせた対応を心がけていますので、安心してご来院ください。
POINT 2
お子様に対して嘘になるような発言をしない
当院では、お子様との信頼関係を築きながら練習を進め、治療へつなげることを大切にしています。特に警戒心が強いお子様は、「本当に練習どおりのことだけをするのか」「痛いことをされないか」と強く不安を感じています。
また、麻酔をしても完全に効かない場合もあり、治療中に痛みを感じることがあります。このとき、付き添いの方が「もう痛くないよ」と声をかけてしまうと、もし痛みが出た際に「嘘をつかれた」と感じ、スタッフや親御さんへの信頼を失うことにつながります。
一度失った信頼を取り戻すのは容易ではありません。
当院では、お子様の安心感を守るため、スタッフ一同、言葉選びにも細心の注意を払っています。
治療ができたときには、ぜひ親御さんからもたくさん褒めてあげてください。一緒に成功体験を喜び合うことが、お子様の成長につながります。
POINT 3
麻酔を気づかれないように行う
虫歯治療では、まず表面麻酔(塗り薬)で歯ぐきをしびれさせた後、注射の麻酔をゆっくり行います。ごく浅い虫歯の場合は麻酔なしで治療できることもありますが、ほとんどのケースでは麻酔が必要です。
麻酔の練習は難しいため、実際の処置では、針を見せないように細心の注意を払います。顔にタオルをかけ、針が見えないよう配慮しながら、いつ麻酔されたか本人が気づかないように進めます。「注射するよ」とは言わず、「バイキンを眠らせるお薬するね」など、安心できる声かけを心がけています。
ただし、治療への信頼感がまだ十分でない場合、タオルを外してしまうこともあります。お子様との信頼関係を築きながら、安心して治療に進めるよう丁寧に対応しています。
麻酔を乗り越えれば、あとは練習通りに治療を進められることがほとんどです。
POINT 4
親御さんと離れて座ってもらう(母子分離)
治療中にお子様が泣き出してしまう原因の一つに、親御さんが近くにいることで甘えが出てしまうことがあります。いったん泣き出してしまうと、親御さんが外に出られても気持ちを切り替えられず、その日の治療が難しくなるケースも少なくありません。
最初の来院時から「一人で座る場所なんだ」とお子様自身が感じ取れれば、「お母さんできたよ!」と嬉しそうに診療室から出てくる姿が見られるはずです。幼稚園や保育園で一人で頑張っているお子様は、親御さんが思っている以上に社会性と自立心を育んでいます。
また、過去に歯科治療で怖い経験をされたお子様や、不信感をお持ちの親御さんもいらっしゃるかもしれません。
その場合は、診療室に直接付き添うのではなく、モニター越しに治療の様子をご覧いただくことも可能ですので、ご安心ください。
お子様を歯医者に連れて行くタイミング
「いつから歯医者に連れて行けばいいのか」悩まれる親御さんは多いと思います。赤ちゃんの歯は、生後6か月頃から生え始めます。この時期から1歳半くらいまでに、一度歯科医院を受診することをおすすめしています。
このタイミングで受診する理由は、虫歯になってからではなく、虫歯を防ぐために通うことが大切だからです。また、歯が生えてこない、歯並びがおかしいなどのトラブルも早期に発見できます。
乳歯は一時的なものと思われがちですが、実際には11~12歳ごろまで使う大切な歯です。
乳歯に虫歯ができると、その後に生える永久歯にも虫歯が移るリスクがあります。そのため、乳歯が生え始めた頃からフッ素塗布を行い、虫歯になりにくい環境作りをしていくことが重要です。
さらに、お子様の中には歯石がたまりやすい方や、歯ぎしりが強い方もいます。歯並びのチェック、食習慣のアドバイス、正しい歯みがき方法の指導も、小さいうちからスタートすることが将来の健康につながります。
年齢別に必要な治療・処置
AGES 1–3
1・2・3歳
(1歳半検診〜3歳くらいまでに必要なこと)
乳歯が生えてきたばかりの時期は、今後の虫歯リスクを左右する重要なタイミングです。
この時期に、親御さんやご家族からの口移しなどで、大人から子どもへ虫歯菌が感染するリスクがあります。
まず大切なのは食生活です。
常に何かを食べている状態が続くと、虫歯菌が酸を作る時間が長くなり、虫歯リスクが高まります。「おやつは時間を決めてあげる」ことにより、食べ物がない時間をつくり、口の中を休ませることが大切です。
また、小児期の虫歯の多くは歯と歯の間にできる虫歯です。歯ブラシだけでは汚れを落としきれないため、糸ようじ(フロス)を使った仕上げ磨きが重要になります。
さらに、生えたばかりの乳歯はフッ素を取り込む力が非常に強いため、フッ化物塗布による虫歯予防が非常に効果的です。定期検診と併せて、フッ素ケアで虫歯リスクをしっかり減らしていきましょう。
AGES 4-6
4・5・6歳に必要な処置
この時期は、虫歯になりやすい非常に重要なタイミングです。
これまで親御さんが気をつけていても、保育園や幼稚園でお友達の影響を受け、お菓子を食べる機会が増えたり、間食が習慣化することがあります。また、園で食器を共有したり、食後の歯磨きが行われていない場合もあり、虫歯リスクが高まります。
さらに、弟や妹の誕生で親御さんの手が回らなくなり、仕上げ磨きが不十分になることもあります。こうした理由から、今まで虫歯がなかった子でも、この頃から虫歯ができ始めることがよくあります。
小学生になると、永久歯が次々に生え始めます。
特に、乳歯に虫歯があると、その隣から生えてくる永久歯もすぐに虫歯になるリスクがあります。そのため、この時期から定期検診と仕上げ磨きをより徹底することが大切です。
また、早いお子様では「6歳臼歯」と呼ばれる永久歯が生え始めます。
このタイミングでレントゲンを撮影し、乳歯の下に永久歯がきちんと存在しているか確認するのもおすすめです。最近は、生まれつき歯の卵がない「先天性欠損」が見つかることもあり、今後の歯並び予測にも役立ちます。
AGES 7 AND UP
7歳以上
小学生になると、永久歯への交換が本格的に始まり、12〜13歳頃まで続きます。特に高学年から中学生になると、お子様の自立が進み、親御さんの仕上げ磨きなどの介入が難しくなることもあるでしょう。
それでも、永久歯の交換が終わるまでは、できる限り関わり続けていただくことが大切です。もし難しい場合でも、3〜4ヶ月ごとの歯科検診でしっかりチェックすれば、問題の早期発見・予防が可能です。忙しいお子様には、春・夏・秋・冬休みを利用しての受診をおすすめします。
この時期、歯への意識を持てるかどうかが、将来のお口の健康を大きく左右します。
特に、生えたばかりの奥歯(7番目の歯)は歯ブラシが届きにくく、虫歯になりやすい場所です。痛みが出てから来院し、すでに神経を取らなければならないケースも少なくありません。また、部活動や習い事でスポーツドリンクを頻繁に飲む習慣も、虫歯リスクを高めます。この時期をしっかり乗り越えられるようサポートしていきましょう。
また、永久歯が揃い始めるこの時期は、歯並びにも注意が必要です。学校検診で歯列不正を指摘されることもあり、早めに矯正相談を受けておくと安心です。
小児矯正(成長期に行う矯正)が適している場合もあれば、成人矯正(身長が止まってから行う矯正)が必要なケースもあります。それぞれに適したタイミングや費用、期間について、事前に情報を得ておきましょう。
子供の歯の問題を放置するリスク
01
早期欠損のリスク
子供の虫歯は大人の虫歯よりも進行が早いです。虫歯できかけの状態で3ヶ月後見ると思ったより大きくなってしまっています。
虫歯によって歯の崩壊が大きくなると抜歯することもありますが、抜歯後そのまま放置になると歯が倒れたり、歯列不正にも繋がります。また片側噛みが生じて顎ずれたり、曲がったりする原因になってしまいます。
02
歯の生え変わりで永久歯に虫歯がうつる
乳歯は抜けるから放置していてもいいと言われる先生がいらっしゃるそうですが、それは間違いです。乳歯でも虫歯を放置すると根の先端に膿が溜まったりします。そのことで、下で出てくる準備をしている永久歯が虫歯になって生えてきたり、茶色く変色した永久歯が生えてくることがあります。
また隣の乳歯が虫歯で犯されていると、隣に生えてくる永久歯に虫歯菌がすぐ移ってしまってすぐに永久歯の虫歯になってしまいます。これは乳歯から永久歯への交換が一気に行われないからになります。(混合歯列期)順番に1本ずつ入れ変わることが多いからです。
03
早く抜けてくれないといけない歯が粘る
下から永久歯が顔を出していたりして上の乳歯が邪魔をしている場合、早目に抜かないと掃除ができず虫歯リスクが上がります。
また、上の乳歯があんまり揺れていない場合、永久歯が諦めて若干方向を変えて生えてきます。すると歯並びにも影響することになります。
小児歯科によくある質問
3〜4歳以上のお子さんの場合は基本お断りしております。社会性が出てきて自分で頑張ればできるかギリギリの年齢になります。お母さんの顔が見えると甘えで泣いてしまうことが多いです。ご心配の方は、モニターで治療の様子を見ていただけます。それ以下のお子さんは、必要な処置がある場合のみ、お母さんと一緒に入っていただき、抑制治療で行う場合はあります。
子供の口の中は唾液が多かったり虫歯が深いことが多く、詰め物などをする時に乾燥させるのですが、歯茎との隙間から唾液などで濡れてしまったりしてつきにくいことがあります。噛んでるうちに外れたり、外れかかったりしてそこから虫歯になることがよくあります。唾液が入ってこないようにバリアする器具をつけることが大切です。
そうですね。フッ素には歯を強化してくれる作用があります。特に、生え替わりの時期にするとフッ素が取り込まれやすく、効果的に歯質を強化できます。量を摂取しすぎると具合悪いですが、フッ素入りの子供用の歯磨き粉と定期的な歯科医院来院時にフッ素塗布行うだけで十分な効果が期待できます。
そんなことはありません。乳歯の場合、永久歯が生え変わるまでの間、噛み合わせを安定させておくことが交換期にとって非常大事になります。また、乳歯が虫歯の場合、隣に生えてきたての永久歯が出てくるとすぐに虫歯が移ってきます。そのため交換期の準備も含めてきちんと治療しておく必要があります。
一般的に前歯が生えて変わってきたくらい、7〜8歳くらいからスタートするのが一般的ですが、受け口の子や下顎が左右にずれている子はもう少し早めからしておいた方がいい場合もあります。ご心配であれば、一度早めにご相談いただければと思います。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください。
親御さんが経験された歯医者さんでの嫌な思いをお子様に味合わせないようするには、虫歯できてからいく治療が主体の歯医者さんから綺麗に掃除してもらいに行く予防が主体の歯医者さんに変わらなければいけません。
最近では表面麻酔や針も細くなってきているので、麻酔自体痛みをだいぶ痛みが少なくなってきています。もし虫歯治療が必要になっても小さいうちに治してあげる事で治療時間も少なく麻酔も必要ないかもしれません。子供の時の口の中の環境がそのまま大人になっても続いていきますので、小さいうちから検診予防で歯医者さんに慣れていただければと思います。